なむなむコラム

高校受験後の学習

公立高校入試もいよいよ大詰めを迎えます。

大きな山を越えた今、まずは親子で一息ついてください。
しかし、教育現場の視点からお伝えしたい「大切な現実」があります。高校合格はゴールではなく、中学までとは別次元の「新たな3年間」のスタートラインだということです。

「受験が終わったから、4月までずっと休もう。」という油断が、実は高校生活を苦しくしてしまうかもしれません。これからの3年間を笑顔で過ごすためのポイントを整理しました。

1.「中学と高校」の圧倒的なギャップ

高校生になれば、学習内容の「深さ」と「スピード」が劇的に変わります。具体的な数字でその差を見てみましょう。

・英語(単語数):中学の「2倍」が必要
中学卒業までの英単語数は約2,500語程度、高校卒業時までに求められるのは合計4,000〜5,000語規模です。小中の9年間で積み上げたものと同量を、わずか3年間で習得する必要があります。

・数学(量と速度):中学3年分を「1年」で
高校1年生で学ぶ「数学I・A」のボリュームは、中学3年間の教科書の合計に匹敵します。つまり、「中学校の3年分を1年で終わらせる」スピードで授業が進みます。一度つまずくとリカバリーは困難です。

2.「3年間の猶予」ではない

「高校に入ってからゆっくり進路を考えればいい」という考えは、現在のシステムでは非常に危険です。

指定校推薦・総合型選抜を狙うなら:
大学進学の大きな選択肢である指定校推薦の評価対象は、「1年生の1学期から」始まっています。3年生で慌てて頑張っても、1・2年生の成績が低ければ、応募資格すら得られません。勝負の8割は、3年生になる前に決まっています。

就職・専門学校を希望するなら:
3年生の7月には求人が公開され、9月には選考が始まります。企業が重視するのは、やはり1年生からの「評定」と「出席日数」です。高1の春にスタートダッシュを切れたかどうかが、3年後の進路を決定づけます。

3.進学校でも実業校でも、命綱は「継続した学習」

「うちは進学校じゃないから」というのは誤解です。工業・商業などの専門高校(実業校)では、高度な専門資格の取得が始まります。その土台となるのは、中学までの基礎学力と「机に向かう習慣」「学ぶ姿勢」です。
どの学校に進もうと、自学そのものは必要です。さらに難易度が上がる内容を理解するために、適切に「教わる環境」を用意することも必要になります。

4.保護者ができる「最高のサポート」

入試という激しい「全力疾走」を終えたばかりで、いきなり同じペースで走り続けるのは無理があります。しかし、せっかく身につけた「勉強の習慣」を完全にゼロにしてしまうのはあまりにもったいないことです。

入試後の数週間、脳を完全に「休止」させてしまうのではなく、「心地よいアイドリング」の状態を保たせてあげてください。

・「合格祝い」として、高校の内容を少しだけ先取りできる教材を一緒に選ぶ。

・1日30分だけ、英語の音声を聞いたり、数学の予習をしたりする「リズム」を崩さない。

高校受験を走りぬいた今こそ、「受験のための勉強」から「自分の未来のための勉強」へ、しなやかに切り替える時期です。3年後の春に再び親子で笑えるよう、少しだけ前を見据えた準備を始めてみませんか。

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